冬山合宿

期間
平成29年12月23日(土)~12月30日(土)
山域
南アルプス 聖岳
目的
学生のみで3000m級の冬山に挑戦する
ラッセルをこなし体力を向上させる

メンバー

4年 佐藤淳平(CL)
2年 山上耀一郎(SL、食料)
4年 内山光太郎(装備補佐)
2年 増田隆平(装備)
2年 須貝綾菜(医療、渉外)

行動概要
12月23日(土) 晴れ
6:45バスタ新宿集合~11:50静岡駅~16:20千頭~20:30就寝

6:45バスタ新宿に集合。石綿に見送られ出発。渋滞のため静岡駅到着が1時間以上遅れる。電車の都合で井川駅までの移動を断念。昼食を済ませ千頭駅まで移動する。大井川本線ではトーマスが走っていた。千頭駅到着後はしばらく駅周辺を探索する。車中では山に近づいていると感じたが思いの外、気温は高い様子であった。

12月24日(日) 曇りのち晴れのち雪
4:45起床~6:00タクシー乗車~7:30沼平~9:00出発~9:30藤島~11:02聖沢登山口~12:04出会所小屋跡~20:15就寝

4:45起床。昨日予約したタクシーに乗車して沼平まで移動する。到着後あたりを見渡しても雪は見当たらない。遠く山の上部には雪が付いている。出発準備を進めていると沼平登山指導センターの指導員の方が到着した。曰く上部はしっかりと雪が付いているとのこと。指導員の方と話していると毎日入山する猟友会の方々に車で登山口近くまで送っていただけるよう取り計らっていただけるとのこと。ご厚意に甘えて登山口までの移動距離4分の3あたりの藤島まで送っていただく。猟友会の方々とお別れしたあとは約1時間半林道を歩き登山口に到着。登山道はかなり急だが所々階段状に整備されている。やがて平坦な地形になりトタンや瓶が散らばる出会所小屋跡に到着する。2張ほど幕営が可能か。水場はすぐ西の沢で登山道を辿れば問題なく見つかった。作業を終え佐藤と山上は翌日の取り付きの偵察に向かう。水場の西の尾根を偵察するが朝に雪面のトラバースは危険だという結論に至り出会所小屋跡から北西に伸びる支尾根から取り付くことにする。20:15に就寝する。夜遅くなると水分の多い雪が降り始めた。

12月25日(月) 雨のち快晴
4:00起床~9:00再起床~20:15就寝

日付が変わる頃には雪がみぞれに、やがて雨となった。内張りがテント本体に張り付いてしまい全員酸欠気味になり、2:30頃に目が覚めてしまう。すでに床も水浸しだが換気を済ませ、予定していた4:00まで眠る。起床後に再度天候と装備の濡れ具合を確認して25日の行動は不可能と判断。再びシュラフに包まる。9:00になると天候は回復し快晴となっていた。木を使ってロープを張りシュラフなどを乾かす。10:30に朝食をとる。日が沈む頃には装備も乾いていた。17:30に夕食を済ませ20:15に就寝する。

12月26日(火) 快晴のち曇りのち雪
4:00起床~6:00出発~12:10JP~14:09JP先のコル(約2350m)~20:30就寝

4:00起床。天気は快晴で気温は1℃であった。出発時は暗くヘッドランプを使用する。落ち葉だらけのやや急な斜面を登り尾根に乗る。赤ペンキ・赤布は豊富。6:30頃に薄明るくなり始め、7時頃にはヘッドランプが必要なくなった。この頃からうっすらと雪が付き始める。所々地面が凍結してミックス状態になっていたためアイゼンを装着する。8時頃には雪が降っていた。12:10にJP到着。ピーク状地形ではないので気が付きにくい。付近には「白蓬ノ頭→」といった道標が幾つかあった。このあたりで登山靴が隠れる程度の雪。JP先のコルでワカンを装着する。コルの先の斜面からラッセルが本格的になり膝まで沈む箇所も出始める。約2370mのピークに登り、その先のコルで幕営する。天候は風雪。この時は2450m前後の平地まで進むことができたと勘違いしていた。17:30に夕食、20:30に就寝する。

12月27日(水) 曇りのち雪
4:30起床~7:30出発~14:45白蓬ノ頭前(約2550m)~20:40就寝

4:30に起床。テント撤収時の天候は曇り。気温はマイナス13℃程度で行動開始まで時間が掛かった。行動開始後すぐに膝ラッセルとなる。8:30には雪が降っていた。やがて平坦な地形となり腰まで沈む箇所が多くなる。その先の斜面を登り10時頃に2回目の休憩を済ませる。その先で地形に違和感を覚えたため、GPSで現在地を確認する。確認した地点は2500m付近であり、この時に昨日まで読図を間違えていたことに気が付く。難しい地形ではないが深い新雪に悪戦苦闘する。佐藤の指示で、先頭のみ空身でラッセルをさせるが緩傾斜では効果が薄く中止する。二重稜線直下の急登では胸から頭までのラッセルとなる。やっとの思いで二重稜線に乗ることができた。14:45に幕営地を決定。気温はマイナス15℃程度。高度を上げたと実感する。雪は止んでいた。17:32に夕飯を食べる。翌日以降の行程を話し合う際に27日の幕営地をBCとして東聖岳アタックを最終目的に変更する案などが出されたが、予備日に余裕があったため28日は前進することで落ち着く。20:40就寝。27日は体力温存のため須貝にラッセルをさせなかった。

12月28日(木) 快晴
4:30起床~7:10出発~9:40 BC設営(約2600m)~10:55偵察開始~11:55引き返し~12:25 BC~20:30就寝

4:30起床。天気は快晴。夜は放射冷却で冷え込みが厳しかったが、行動開始前はマイナス10℃程度とそこまで気温は低くない。少し進むと背の低い樹林が広がっており、腰から胸まで容易に沈んでしまう。再び空身ラッセルを実行すると今度は移動速度がグンと上がった。昨日までの心配(ラッセル敗退)が嘘のよう。9:40にBC適地に到着し幕営。11時前にアタック装備で偵察を開始する。須貝はテントに留まらせる。稜線に乗るまでと乗ってからハイマツ帯に合流するまでは深いラッセル。登りが一段落した所で増田のワカンが破損する。アイゼンに付け替えるよう指示を出すと同時に、十分に成果を得たと判断し12時前に引き返す。12:25に帰幕。増田は装備小物を使用しワカンを修理した。18:20に夕食。20:30に就寝。28日もほとんど須貝にラッセルをさせなかった。

12月29日(金) 快晴
4:32起床~7:05出発~9:40引き返し(2930m)~11:05 BC~20:00就寝

僅かに寝坊。天気は快晴で気温はマイナス7℃程度。上部では風が強く吹いている。7:05に出発。トレースがしっかりと残っていたため最初からアイゼンを装着する。昨日の到達地点以降もほとんどラッセルの必要がなく順調に進む。しかし北風が強く、稜線の南側から逸れると風に煽られそうになる。2800mの東聖岳以降はさらに風が強くなる。現在のメンバーの力量と疲労度から考えて登頂は不可能と判断。奥聖岳の一つ手前のピーク(2930m)で写真を撮影して引き返す。11:05にBC到着。17:30に夕食。以降も風が弱まらない予報。1月1日は下山予備日と考え、翌日に下山を開始することとする。20:00に就寝。

12月30日(土) 快晴
4:00起床~6:30出発~7:00 3日前の幕営地~8:05 4日前の幕営地~11:00出会所小屋跡(11:50まで)~12:05聖沢登山口~14:07中ノ宿吊橋~16:30沼平~17:30白樺荘

昨夜も冷え込みが厳しかった。4:00に起床して6:30に出発。天気は快晴。風は昨日より強い様子。10分程進むと今回初めての登山者と出会う。単独であった。以降も数パーティと挨拶を交わした。1時間半で4日前の幕営地に到着。いかに往路の移動速度が遅かったかを痛感する。9時前にJPに到着。ワカンからアイゼンに付け変える。休憩毎にレイヤリングを調整する。途中翌日のタクシーを予約する。11:00に出会所小屋跡に到着。時間に余裕があるため沼平まで下山することとする。服装の調整、水の調達などで約50分滞在した後、行動を再開する。林道でも数名の登山者と出会った。赤石岳への登山者が多かった。14:07笊ヶ岳登山口にあたる中ノ宿吊橋で休憩。16:30に沼平に到着する。年末の沼平には静岡県警の方々が詰めていた。31日の午後から天気が崩れる予報であったため心配していたとのこと。さらにタクシーの予約が翌日であることを伝えると沼平から車で20分程度の所にあり、電波の入る白樺荘まで送っていただけることになった。白樺荘では休憩室を使わせていただけることになり、そこで就寝。翌朝タクシーに乗車し静岡駅に移動した。

報告担当:佐藤

深いラッセルに苦しめられる
深いラッセルに苦しめられる
景色は最高だ
景色は最高だ
稜線にて
稜線にて
聖岳をバックに集合写真
聖岳をバックに集合写真