南八ヶ岳

期間
2020年2月11日(火) ~ 2月13日(木)
山域
南八ヶ岳
目的
山行中の技術の確認、習得

メンバー
2年 藤田 渓 (CL、装備、医療)
1年 吉田 真理子 (SL,食料、渉外)
コーチ 棚橋 靖

行動記録
2月11日(火) 晴
9:00小淵沢駅集合 ~ 9:35八ヶ岳山荘着 ~ 9:50八ヶ岳山荘発 ~ 11:15発電所着 ~ 11:30発電所発 ~ 12:35赤岳鉱泉着 ~ 13:00赤岳鉱泉発 ~ 13:30雪訓開始 ~ 14:30雪訓終了 ~ 14:50行者小屋着 ~ 19:45就寝
9:00に小淵沢駅に棚橋さんと待ち合わせた。 棚橋さんのご厚意で,そこから赤岳山荘まで車に乗せていただいた。 途中,八ヶ岳山荘にて車にチェーンを付けるために停車。 そこで八ヶ岳山荘のオーナーの藤森さんにご挨拶し,コーヒーを御馳走になった。 緊張していた心が少しほぐれた。 お二人の会話の中で,遭難事故が起きていることを小耳に挟み,気が引き締まった。 美濃戸山荘までの林道に雪はほとんど無かったが,一部凍結していた。 笹が見えていた。 赤岳山荘で車を止め,ツボ足で北沢を進んだ。 途中で踏み跡があるショートカットが2カ所あった。 11:15発電所に到着した。 水分補給をし行動食を食べ,地形図で現在地を確認した。 建物の印が無かったので,現在位置を特定するのが難しかった。 11:30に発電所を発ち,沢沿いの道を進んだ。 12:35目の前が開けるとアイスキャンディーが現れ,赤岳鉱泉に到着した。 ここで棚橋さんは荷物を取り,私たちは水を飲み,行動食を摂った。 13:00に赤岳鉱泉を出発して,13:30に雪訓を開始した。 雪訓場所は鉱泉と行者の間だった。 この時はアイゼンをはき,直登直下降,斜登降を2回ずつ行った。 アイゼンを外して滑落停止も行った。 既に滑落停止の跡があり,今までの練習の中で一番滑った。 14:30に雪訓を終え,14:50に行者小屋に到着した。 16:00の天気図は気が散り,まともなものを書くことが出来なかった。 藤田はその間に夕食に準備をした。 地形図から行動時間を予測した。 19:45就寝。

2月12日(水)  晴 -9℃
5:00起床 ~ 7:00行者小屋発 ~ 7:20赤岳鉱泉着 ~ 7:35赤岳鉱泉発 ~ 8:45赤岩ノ頭着 ~ 8:55赤岩ノ頭発 ~ 9:15硫黄岳着 ~ 9:20硫黄岳発 ~ 10:35ジョウゴ沢にて雪訓開始 ~ 12:45雪訓終了 ~ 13:00ジョウゴ沢発 ~ 13:15雪訓開始 ~ 14:50雪訓終了 ~ 15:05行者小屋着
日の出に行動開始するため,5:00に起床した。 しかし手際が悪かった。 ハーネスとアイゼンを装着し,ビーコンチェックをして7:00行者小屋を出発し,7:20赤岳鉱泉に到着。 ジョウゴ沢を過ぎた後から少し傾斜がきつくなり,くねくねと登った。 赤岩ノ頭に8:45に到着し休憩を取った。 この時無風であったが,棚橋さんから「普段ここは強風が吹くから,そういうところでは休憩は取らない」とご注意を頂いた。 快晴で北アルプスの山々を紹介していただいた。 北を向いているのだから蓼科くらいしか見えないと思っていたが,遥か遠くの北アルプスが見えることに驚いた。 18:55に赤岩ノ頭を出発し岩がちの所を進み,9:15硫黄岳山頂に到着した。 風は強かった。 写真を撮り9:20に硫黄岳を後にした。 強風と岩がちで降りにくいところをゆっくりと慎重に降りた。 10:35にジョウゴ沢のF1に到着。 急な雪壁を上ることを想定して,吉田が藤田を確保しながら登った。 藤田はトップロープの支点を作ってからクライムダウンした。 次に藤田が吉田を確保し,吉田が登った。 次にアイゼンがしっかり引っかかっている感覚を覚えるため,凍った滝を登った。 あるルートを2回,もう1つのルートを2回の計4回登った。 窪みに,踵を下げた状態で蹴り込むとアイゼンを引っ掛けやすく,ピッケルも固定されやすいとのアドバイスを頂いた。 そのあとは,懸垂下降をやった。 15分の休憩を挟んで,13:00ジョウゴ沢を出発し,赤岳鉱泉と行者小屋の間に移動して13:15雪訓を再開した。 ビーコンの特性や,捜索の仕方をおさらいした。 雪洞を初めて掘ったものの,積雪が90cmしかなく,難しかった。 雪がしまっておらず,天井を薄くしすぎたため,天井が落ちた。 二人が横になれるスペースを実際に掘るのは容易ではなかった。 14:50雪訓を終了し15:05に行者小屋に戻った。
この日は棚橋さんからの差し入れのハンバーグを頂いた。 山の中でハンバーグが食べられるなんて夢のようだった。
翌日朝の天候が悪いことが予測されていた。 その場合の行動計画の立て方を教わった。 地形図から行動時間を予測し,遅くとも行者小屋に到着したい時刻からそれを引き,最終出発時刻を割り出した。 行動時間は4時間,テント撤収に1時間かかるとして,8:00を最終出発時刻とした。 また棚橋さんの風の影響が比較的弱いという情報より,計画を変更し地蔵尾根からアタックすることにした。 19:50就寝。

2月13日(木) 雪のち曇り -5°C
5:00一度目の起床 ~ 5:30二度目の起床 ~ 6:00三度目の起床 ~ 7:40準備完了 ~ 8:40行者小屋発 ~ 10:40頃撤退 ~ 11:20行者小屋着 ~ 13:25行者小屋発 ~ 13:55赤岳鉱泉着 ~ 14:15赤岳鉱泉発 ~ 15:50赤岳山荘着 ~ 15:55赤岳山荘発 ~ 16:05八ヶ岳山荘着
悪天候が予想されたが,まず5:00に起床した。 強風のため最終的に6:00に起床し,準備した。 7:40に準備完了したものの,雪が沢山降っていたので待機した。 雪が収まったころに風が出てきた。 8:00を過ぎ,これからの行動を考えていると8:20に雪と風が収まった。 ハーネスとアイゼンを身につけ,ビーコンチェックをして8:40行者小屋を出発。 新雪のためトレースが分かりにくかった。 急登で階段が続くなか,強風を感じ,引き返した。 コンテで3人繋がり,階段の急登を下りた。 緩やかになってからコンテを解いてズンズン下りた。 11:20行者小屋に戻ってきた。 まだ時間があったのでツェルトを立てる練習をした。 設定は,アタックして,安全な樹林帯まで来たが,暗くなってテン場まで戻れそうにないという状況だ。 ツェルトの上部の左右を固定するにフリクションノットを用いるとよいということと,風を除けられるようもっと樹林帯の奥まった所が良いとアドバイスをいただいた。 パッキングをして,テントを撤収して,13:25行者小屋を発った。 13:55に赤岳鉱泉に到着。 棚橋さんは荷物を置き,私たちは水分補給と行動食を食べた。 14:15赤岳鉱泉を出発。 北沢を渡る辺りから,土が見え,水分を多く含んだ雪が見られるようになった。 林道は凍結していて,歩くところに神経を使った。 凍結した部分と雪の間が一番歩きやすいとアドバイスをいただいた。 林道のショートカットではツボ足で試みたものの,凍結の箇所が広いため,アイゼンをはくことになった。 初めての氷の上のアイゼン歩行だった。 赤岳山荘から八ヶ岳山荘までは,3月から4月頃の道路の状態だという。 15:50赤岳山荘に到着して棚橋さんの車で16:05八ヶ岳山荘に到着。 藤森さんから焙煎仕立てのコーヒー豆を頂いた。

硫黄岳山頂より
硫黄岳山頂より