期間
2021年4月10日(土)
山域
丹沢山系
目的
山での体力づくり
山行に関わる種々の工程の理解
メンバー
2年 柳川周
行動概要
4月10日(土)晴
7:52大山ケーブル駅(バス)~7:59大山ケーブルカー駅前~8:20阿夫利神社駅前~8:36蓑毛越~9:04一六丁目~9:35大山山頂~10:02唐沢峠分岐~10:17見晴台~10:26阿夫利神社駅前~10:46大山ケーブルカー駅前
今日の新宿の気温は7℃。一枚羽織っただけの身には肌寒く感じる。小田急に乗るうち山装備の乗客が漸増していく。彼らに流されるように伊勢原にて下車。バス停には既に人だかりができている。群衆の中には子供の姿がちらほらと見える。小学校低学年くらいだろうか。話を聞くに、テレワークによって時間に余裕ができたことで山に来れたという。コロナによる様々な改革の波及は、時に思わぬところで存外良い結果を生み出しているようだ。
7:52分バス停到着。準備運動にと土産街を駆け上がる。と、はるか先に爆走する男性、すぐに見えなくなる。彼には肺活量とか重力という概念がないのかと思うほど軽快な走りで、走れるなら少し山を走りたかった今日の山行の大きな発奮材料となる。さてお土産街を突っ走った勢いでそのまま男坂に突入。かなりの急勾配であり、下るにはかなりの注意を必要としそうだ。行きに選んで正解だった。阿夫利神社に20分で到着すると、そこからいよいよ山道である。靴を履き替え気息を整える。いざ、と走り出すとアキレス腱に若干の痛み。少し腱と相談しつつ蓑毛越へ。ここより岩場の多い本格的な上り道へ。今日は上りはしっかり粘って足を出して、平坦から下り坂にかけてはのびのび飛ばすことを心がけていたので、ここでは確実に歩を進めた。腰とアキレス腱が少し痛み出した頃に16丁目に到着。時刻は9:04。ここまで予定より1時間早い時間で、5分の休憩を取る。
休憩が終わると凹凸のついた木の板が延々続くロードへ。リズムができて二段飛ばし。徐々に膝から下の動きが伸びやかに。尾根に出ると、少しずつ土に白いものが混じり出す。霜のようだ。吐き息も白く変わり、手もかじかんできたためインナーグローブを装着する。富士見台で両端の木々が切れてからは西側の富士山、相模湾が折々望めるようになる。雪もちらほら見受けられるようになり、幻想的な景気が広がる。俳句会に属する私としては、駄作の創出が止まらなくなる。1人したり顔で歩いているうちに山頂に到着。時刻は9:35。
大山の眺めは流石の一言であった。いつもより市街地に近く、標高も高い。東の眺望は江ノ島を遠くに見据え、関東平野のその先の先まで見える。埼玉スタジアム2002と思しき建物も燦々と輝いている。今日は勝ってくれよ、と念を送った。反対側は相模湾と富士。今日は下の方は雲に隠れてしまっていたが充分である。山頂まで程よく整備された道を登れて景色麗しく、神社もあり帰りはご飯や温泉も楽しめる。完璧な山だ。もっと言えば超のつく新入生ホイホイである。部の方針や気候条件に合うならば本気で上奏したくなる素晴らしさであった。
しばらく景観を楽しんだのち、いよいよ下りへ。ここからはかねての作戦通り、安全に気をつけつつ走ることにする。序盤はひたすら整備された階段を下る。こうも区切られてしまってはなかなかきままに走れないばかりか、膝にも負担がかかってくる。あまりに永遠と続く階段に意識が朦朧としてくる。段、段、段、段、段、段段段段段段段鹿段段段段…………鹿?鹿である。階段が少し緩やかになったところに鹿が2頭いた。人馴れしているのか悠々と稚葉を食んでいる。可愛い。里では畑を荒らす害獣として嫌厭されるが、存外悪気がなさそうで愛らしく、尻尾もふりふりして可愛かった。
鹿に英気を得た後は、丁度階段も終わり走りやすくなったこともあって、脇目も降らずに山道を駆け下る。途中筋力不足によって腿が痛みを訴え出してことを受け、危険があるところは時間をかけて下ることを心がけた。女坂を下り大山寺の経文が響き渡るようになった頃ここまで勇敢に戦ってきたアキレスが終に震え出した。うんうんいいつつひた走るとスタート地点の土産街に到着。時刻は10:46。工程より2時間ほど早く到達し、心拍的にはある程度の余裕があった。距離的にも難易度的にも丁度良かったと感じる。