奥多摩 鷹ノ巣山

期間
2021年7月17日(土)~7月18日(日)
山域
奥多摩 鷹ノ巣山
目的
縦走とテント泊の経験を積む

メンバー
4年 藤田 渓(CL)
3年 吉田 真理子(SL)
2年 竹澤 日緒里
1年 小林 恆渡

行動概要
7月17日(土) 天気:快晴
8:25奥多摩駅集合~8:37奥多摩駅バス停発~9:10鴨沢バス停着~9:25鴨沢バス停発~10:25小袖着~10:40小袖発~11:30堂所着~11:45堂所発~12:20七ツ石小屋と七ツ石山の分岐~12:40七ツ石小屋着~12:55七ツ石小屋発~13:25七ツ石山着~13:30七ツ石山発~13:55七ツ石小屋着~20:00就寝

8:25奥多摩駅に集合。改札を通過する人の数が尋常でなかった。周囲からは「ラッシュだね」という声も聞こえた。登山計画書を出すように呼び掛ける警察はいなかった。バス停には既に長蛇の列があった。お手洗いを済ませて来ると、列を飲み込んだバスが発車するところで、近くには臨時のバスが控えていた。その臨時のバスに乗り込む。余裕があって、本便に乗らなくてよかったと思う。小林が終始うつむいていて、なんとなく調子が悪そうに見えた。
バスの中では、ザックが倒れないように気を付けていると、鴨沢に到着(9:10)。アプローチシューズから登山靴に履き替え、コンパスの合わせ方を確認する。小林は問題ないようだった。竹澤は以前にメモしたものにさらに加えていく。駐車場に猫がいた。竹澤は写真を撮りに行く。9:25準備が完了して鴨沢バス停を出発。地形図では登山道であるが、実は舗装された道が続く。日差しを直に浴びると暑い。木陰を求めて歩みを進める。土の登山道に入ると木陰になった。快適だ。サクサクと進む。しばらく進むと車道に出た。駐車場には多くの車があった。山の人気が高まったのだろうか。
10:25小袖手前付近に到着。休憩しているとあとから出発した人たちにたくさん抜かされた。まだバス停に人がいたのかと驚く。水を飲んで行動食を食べて地形図で現在位置を確認。道路がまだ下に見えることを確認した。なかなか小林は水を飲もうとしなかった。10:40小袖手前を出発。尾根の東側を進む。日に当たることがなく、快適に進む。吉岡から「真夏の低山は、樹林帯だから蒸し暑くて本当に大変な環境だ」と聞いていたが、あまり不快さは感じなかった。少しずつ高度を上げていく。このときのオーダーは吉田、竹澤、小林、藤田。藤田が小林に「両足の幅を肩幅にできないかな」とアドバイス。さらに吉田にも「(足幅が)狭いよ」と注意が飛んだ。
コルに出て道標の柱に「堂所」の文字を見つける。11:30のこと。ちょうどいい場所で休憩。小林に水を飲むように促す。竹澤はちゃんと行動食も水も飲んでいるようだった。11:45堂所を発つオーダーは小林、竹澤、吉田、藤田に変更。すぐ先に平将門のエピソードが書いてある看板に「堂所」と記載があった。ここから先は尾根道に進む。ただ、本当の尾根道は少しだけで、少しずれた道を歩く。
だんだん竹澤の膝がおかしくなり始めた。足が地面に着地したときに膝が大きく内側に入り、後ろから見ていて痛々しい。竹澤の歩き方がおかしいとこっそり藤田に耳打ちする。私は登山中に足が痛くなったことがあるから、早く休んだ方がいいのではないかと焦り、休憩をとるように騒いだ。少しタイミングが早いが、七ツ石山の巻道と七ツ石小屋の分岐で邪魔にならないように休憩。竹澤に笑顔が戻る。ふと気になって小林に「膝とか調子悪いところはない?」と訊く。するとニンマリと笑うではないか。どういうことかとじっと聞いていると「実は、だいぶ前から30分以上膝を使う運動をすると膝が痛くなるんですよね」と言う。街で足を引きずって歩いていることを一度注意したくらいで、歩き方に気になるところはなかったから驚きだ。別段、痛そうなそぶりも表情もしないから気づかなかった。いささかの不安を覚えるが、12:30小屋に向かって進む。

七ツ石小屋までもう少し
七ツ石小屋までもう少し

12:40すぐに七ツ石小屋に到着。奥のテン場には多くの人が休んでいた。日陰にはスペースがなかった。竹澤がお手洗いに行き、小林の様子は相変わらずだ。小屋の水場は2か所に増えており、給水用の水道の他に手を洗うための水道があった。十分に息を整えて12;55七ツ石山に向かう。緩やかな登りを進んで13:25七ツ石山に到着。トレランと思わしき人が先に休憩していた。他には人は見当たらない。その人に撮ってもらう。気持ちがいいねと話しつつ13:30七ツ石山を発ち、小屋に向かう。下りは、また竹澤の膝がおかしくなるのではと思い、木の棒を探した。こういう探し物は藤田の特技。彼曰く、木の棒の方からここにいるよと呼び掛けて来るそうだ。2本見つかり、各々持って下った。特に問題なく13:30小屋に到着。
料金を支払い、テントを立てた。竹澤は小屋の前で寝ている猫が気になっていたので、早速遊びに行く。とても人懐っこい猫で、竹澤が触ると喉をごろごろ鳴らしていた。目の下で八の字に色が分かれていると「八割れ」ということを竹澤から教わる。
「もう16時ですよ」という小林の言葉に我に返り、急いでテントに入る。天気図を取った。しばらく時間がかかったものの、二人とも描けた。その後はみんなで野菜を刻んだ。人手が多いということは素晴らしい。刻みつつ、炒め始めることができる。テントの中で火を使うと灼熱地獄だったので、外に移動。ごとごとと加熱して完成。テントの中に戻って、よそった。赤マットが沢山あり、やりやすかった。「いただきます」。竹澤が美味しいと言ってくれて安堵する。小林があっという間に食べ、お代わり。続いて竹澤と私も。藤田は残ったお鍋の中を見て「多かったな」と言うが、小林が2杯目のお代わり。全体としては丁度いい量だっただろう。
夕食後は小林が猫と遊んだ。どうやら彼の自宅には4匹いるらしい。彼が自由気ままなところは猫から移ったのか…
起床後の動きを確認して20時就寝。

七ツ石小屋から富士山を望む
七ツ石小屋から富士山を望む

7月18日(日) 天気:快晴
4:00起床~5:45七ツ石小屋出発~7:25鷹ノ巣山着~7:50鷹ノ巣山発~8:35城山手前のコル~9:45六ツ石山分岐着~9:55六ツ石山分岐発~10:00六ツ石山着~11:40三ノ木戸林道~12:50奥多摩駅

4:00起床。中央で寝ていた吉田と竹澤が最初にお米を炊く準備をする。藤田が珍しく早くシュラフを片付けたような気がした。小林は慣れていて藤田と同じタイミングに完了。それからお米の番を交代。竹澤は初めだから苦戦しているようだった。今回はなんと、お米が炊けるのを待つ時間にお手洗いに行く時間ができた!人数が多いということは素晴らしい。山色丼の具材をサクサクと盛り付けていく。藤田の家に使い捨てのお醤油のパックがなかったということで、ウナギのたれだった。これが思いのほか美味しかった。山椒の香りとピリリとした刺激がよかった。
テント撤収は手際よく出来、念のためもう一度お手洗いに行く。5:45七ツ石小屋を後にした。サクサクと進む。

2日目早朝に七ツ石小屋を出たとき
2日目早朝に七ツ石小屋を出たとき

尾根道を進むつもりでいたが、いざ分岐で前日の膝の様子を思い出すとアップダウンを繰り返すのは良くない気がしてきた。藤田ともう一度相談して、鷹ノ巣山避難小屋まで巻道進むことにした。竹澤は快適なようだった。あまり痛くないようなら平らなところではサクサク歩くことをアドバイスした。ただ、日陰で樹林帯で道が平らで面白くない。とにかくテンポよく進むことだけを考えて進む。ところどころ少しだけ道が崩れているところもあったが、竹澤は問題なく通過した。入部当初は高所恐怖症だと言っていたが、ジム通いによって今では克服できているのかもしれない。
つまらない道をひたすら歩いて鷹ノ巣山避難小屋を通過。これから登りになると思うと気持ちが高ぶる。よっこいしょ、と登っていると竹澤の息が切れていた。左足に手を添えて歩き始めた。下りが心配になる。7:35鷹ノ巣山に到着。他の人はいない。写真を撮って10分ほど休憩して出発。

鷹ノ巣山にてカメラのタイマーで撮影
鷹ノ巣山にてカメラのタイマーで撮影

写真を撮りザックを背負うとすると、小林の膝にセミが止まっていた。緑色で色が薄い。小林を木と勘違いしているのか、全然飛び去らない。小林がザックの中を整理していると、セミは肩にまで登る。一向に飛ばないから竹澤が葉っぱを持ってきて、それにセミを乗せた。一件落着。下りの早々から竹澤は膝を押さえる。藤田に木の棒を探すように催促する。なんとか耐えてくれと念じながら下る。城山手前のコルで8:35に休憩。一通り休憩が終わった後に痛み止めを飲めばよいということに気づく。竹澤が1錠ロキソニンを服用。小林にも提案したが、あまり気が進まないようだったから無理強いしなかった。それから進み9:30頃に薬の効果が表れ始める。「膝を曲げても痛くない」ということだった。ほっとしつつ藤田が見つけた木の棒を使って下りる。
10:00六ツ石山に到着。トンボが飛んでいた。10:15山頂を後にする。竹澤が「さっき曲げても痛くないと言ったが、やっぱり力を入れると痛い」と言った。下っている間は痛いようだ。ずっと下っていくと道標が現れた。三ノ木戸分岐よりも手前だと思われる。「三ノ木戸林道を経て奥多摩駅」と「絹笠を経て奥多摩駅」という表記があった。三ノ木戸山に行くのだということが先行して南下する道を選んでしまった。しばらく進んでから道が違うことに気づいた。尾根の北側や尾根を歩くはずなのに、ずっと下っている。登り返すのか、このまま進むのか、藤田と相談する。この時、竹澤がずっと膝を引きずるように歩いているほかに、小林も手持ちのタオルを膝下に巻いて歩いていた。あまりパーティのコンディションが良くないこと、三ノ木戸と地形図に書かれた林道に出そうだと見当がつくことから、このまま下ることにした。ひたすら作業道のようなところを下っていく。ここはすごく安定した道だった。11:40林道に出た。休憩をして登山靴を脱いだ。12:00奥多摩駅に向かって林道を歩き始めた。林道では竹澤は歩きやすそうだった。時々、近道に段差のおおいところを歩くと、すごく膝をかばった歩き方をした。やはり、段差は禁物のようだ。12:50奥多摩駅到着。
報告担当:吉田

六ツ石山山頂、小林から離れないセミ
六ツ石山山頂、小林から離れないセミ
六ツ石山山頂、小林から離れないセミ
六ツ石山山頂、小林から離れないセミ