西丹沢 モロクボ沢 滑棚沢

期間
2021年7月25日(日)
山域
西丹沢 モロクボ沢 滑棚沢
目的
沢登の経験を積む

メンバー
3年 吉田 真理子(CL)
4年 藤田 渓(SL)
1年 小林 恆渡
1年 吉岡 京
三浦 喜一コーチ
土居 弘明コーチ

行動記録
7月25日(日) 天気:晴
7:25新松田駅で三浦さんの車に乗車~8:10西丹沢ビジターセンター~8:45用木沢出合~9:30入渓~9:50モロクボ沢大滝到着~11:50モロクボ沢大滝発~12:30水晶沢出合~13:00滑棚沢出合~14:50尾根道~15:10出発~17:10西丹沢ビジターセンター着

7:25新松田駅で三浦さんの車に乗せていただいた。吉岡は8:10西丹沢ビジターセンターで合流。お父さんの車に乗せてもらったそうだ。ビジターセンターでお手洗いを済ませて、8:05西丹沢ビジターセンターを出る。入渓時間が9時だと望ましいということでせかせか急ぐ。途中で用木沢出合を通過。ビジターセンターの人が言うように、橋に穴が開いていて、人が通れるだけの簡易的な橋が架かっていた。車は通れない。
途中でゲートを通過して、オレンジの立入禁止の印であろう所をすり抜けて、緑の草地を歩く。河川に沿って歩く。が、ショチクボ沢に入りそうになった。ショチクボ沢の出合で、入渓の準備をする。沢靴とハーネスを履き、軍手を装着。もたもたしてしまって、土居さんを待たせてしまった。
やっと準備ができて9:30入渓。目標から大幅な遅れ。吉田、小林、三浦さん、吉岡、藤田、土居さんの順で進み始める。沢の水を見て、これから入るのかと思うとニヤニヤしてしまう。後ろを見ると小林もニヤニヤしていた。水に浸かると冷たくて気持ちがよかった。しかし、どのルートを取ったらいいのか分からず、吉田が戸惑ったため三浦さんにトップをお願いした。ここからは三浦さん、吉田、小林、吉岡、藤田、土居さんの順で進む。しばらく進むと大滝が見えてきた。ド迫力だった。

モロクボ沢の大滝
モロクボ沢の大滝

9:50モロクボ沢大滝に到着して10分休憩を取る。休憩を取りながら巻く道を探すも、よくわからない。「ルンゼを力づくで登る」という記述があったが、どこにルンゼがあるのか分からなかった。ロープが下がっているのを見つけ、そこを登ることにした。休憩を終え、右岸に移動。三浦さんに先に登ってもらった。ところが高いところに行きすぎたらしく、声が全然聞こえない。残りのロープが半分であることは伝わったのに、終了点では聞こえなくなってしまった。ロープが動かなくなって十分な時間が経ってから吉田が登った。現役は練習通りプルージックでクレムハイストを作って、確保して登って行く。小林はランナーを通過させる箇所がうまくいかなったようで、上に来てからもう一度おさらいをした。最後に土居さんが確保されながら、登って来る。支点には6人分のセルフビレイがかかっていて、実践を見たことがない私には驚きの光景だった。まだ巻ききれず、もう1ピッチすることに。狭いところをみんなで体を縮めて、三浦さんを通し、最初に登ってもらった。今度は終了点から三浦さんの声が聞こえて、スムーズ進む。登りすぎてしまったようで、今度は懸垂下降をする。立ち位置と懸垂下降の開始地点からの関係から三浦さん、吉岡、小林、吉田、藤田、土居さんの順で降りる。体が振られないように降りた。今まで散々やってきた懸垂下降の練習が生かされて嬉しい。吉岡は緊張していたようで、いつもより段取りが悪かった。それでも無事にみんな下りた。

大滝右岸にて懸垂下降中
大滝右岸にて懸垂下降中
モロクボ沢最後の堰堤
モロクボ沢最後の堰堤

12:00大滝を攻略して次に進む。遡行図にあった通り、そのあとの滝は大したことはなく、すぐ脇を登った。足元に石が転がっていたり、その石が浮いているかもしれないと思うとなかなか進めないが、三浦さんの後を追うように進む。水晶沢の出合や越場ノ沢の出合で沢の名前を確認。越場ノ沢は枯れていた。

水晶沢出合。水量は3:2。
水晶沢出合。水量は3:2。

13:00滑棚沢の出合に到着。事前調査で「卵型の岩がある」だとか「赤布がある」と書いてあったが、見当たらなかった。出合からすぐに滝が見える。ナメ滝を見ながら10分休憩。

滑棚沢のF3あとの滑床
滑棚沢のF3あとの滑床
滑棚沢の滝
滑棚沢の滝

滑棚沢の滝も小さく、問題なく登れた。途中でロープを出そうかという場面もあったが、一年生たちはすいすい登って行った。どんどん詰めていくと、水がちょろちょろ流れる程度になり、源頭になった。
そしていよいよツメの部分に。ここが大変だった。シャガグチ丸の尾根の右側、つまり滑棚沢の右俣を登っていたので、右俣に入ってからずっと左側を歩くようにしていた。ところが、最後の最後のツメで、どうも左側が歩きづらそうに見えた。三浦さんが最初に登ったが、それがとても難しそうに見えたのだ。一旦右で登ってからトラバースすればいいかもと私が言うと、吉岡が右側を私が思っていた以上にすいすいと登って行った。小林もそれに続く。「踏み跡があります」。この一言で右側を詰めることにした。しかし、スラブの上に砂利が積もっていてスタンスがなく、非常に登りづらかった。残ったメンバーで最初に登ったのが藤田。クライミングが得意な藤田が動けなくなった。どこにもスタンスが無いそうだ。足場が悪い中すぐ後ろに吉田と土居さんが控え、土居さんが、藤田が落ちても止められるように後ろで構えている。その時に、「石、石!」の声。土居さんの左を石が駆け抜けた。上で小林が落としたようだった。その後も何度か落ちて来る。「動かないで!」「動くときは声かけて!」「動いてもいいけど、石を落とさないで!」。下のこちらは必死に訴える。落石の一つが藤田の膝を直撃。これが彼の精神的ダメージを大きくした。藤田はなかなか進まない。クライミングシューズで人工壁だと5.12a登れる彼は沢靴との相性はとても悪いようだ。上で、三浦さんと吉岡と小林の足場が固まったようで、ロープを出してくれた。ロープが落ちる過程で石が落ちてこないように祈りながらロープを待つ。
藤田と土居さんはロープをゴボウで登った。最後の吉田は三浦さんに確保してもらって登った。藤田が詰まったところは問題なく登れたが、その先が難しかった。3,4回滑って斜面の表面を崩してしまった。これを何も確保がないままで登り切った吉岡と小林はすごい。また一方で吉岡が見た「踏み跡」とはどこにあったのか疑問が残る。上に行くと小林が石を落とした箇所が分かった。こんなにも脆い岩があるのかと思うほど、触ったら落ちるものだった。
三浦さんと吉田が尾根に付いたのは14:50だったが、小林らはその25分前からいたそうだ。あとから来た人が靴を履き替え、水分とエネルギーを補給して15:10水晶沢ノ頭を目指して尾根を歩き始める。この時のオーダーは吉岡、小林、三浦さん、吉田、藤田、土居さんで、吉岡は軽快に進む。植生保護の柵が断続的に続き、「R」の箇所が水晶沢ノ頭で雷木沢右岸尾根へと続く道だ。尾根を見失わないように進む。明らかな登山道ではないが、踏み跡があった。途中で柵を乗り越えるための脚立を越えた。なかなかに恐怖が襲う。
しかし、一つ目の脚立を越えた後は赤布と踏み跡が見えなくなった。尾根と思わしきところ、三浦さんのGPSを確認しつつ進んだ。下りが苦手な吉田は既に神経をすり減らしていた。吉岡と小林は軽快に下りる。16:30山彦橋を通過。日が暮れる前に山を下りられた。それでもタイムリミットギリギリだったので、どんどん歩いていく。17:10西丹沢ビジターセンターに到着。
報告担当:吉田

雷木沢右岸尾根を下っているときに現れた梯子
雷木沢右岸尾根を下っているときに現れた梯子