谷川岳

期間
2020年12月12日(土)~12月13日(日)
山域
谷川岳、天神平
目的
雪上訓練、雪山のテント生活訓練

メンバー

3年 藤田渓 (CL)
2年 吉田真理子 (SL)
1年 柳川周
コーチ 土居弘明

行動記録:
12月12日(土) 天気:曇り
8時40分土合駅集合~9時10分土合口(ロープウエイ)着~土合口(ロープウエイ)発~15分間~歩行(ツボ足、アイゼン)ダイヤモンドと直登下降、天神峠まで~滑落停止~ビーコン探し~スタカット1ピッチ~15時30分テント設営開始~21時15分就寝

8時37分に土合駅に到着の電車で、現役部員は合流した。他の大学山岳部とみられる集団もいた。長くて暗い階段をひたすらに上がる。

長くて暗い土合駅
長くて暗い土合駅

柳川がスタスタと登って行った。土居さんとはロープウェイの土合駅で待ち合わせをした。チケットを購入に窓口に並ぶのは「グループ代表者1名」とのこと。今どきであった。施設内ではマスクの着用も必須だった。藤田に買いに行ってもらい、その間に靴を履き替え、スパッツを履き、ヘルメットを被った。久しぶりの冬山で気合が入る。ビーコンチェックをここで行った。準備を整えて、いざロープウェイの乗り場へ。しかし、荷物が巨大ということで、別途料金が発生。来年は必ず窓口で買わねばいけない。ロープウェイに乗ると斜面は土が見えている。心配になったが、天神平には雪があった。すると、明治大学の宮津さんにお会いした。1週間くらい谷川岳肩ノ小屋付近で雪訓していたそう。
ロープウェイを降りて正面の斜面で訓練。

登行練習(柳川と土居コーチ)
登行練習(柳川と土居コーチ)

まずは歩行訓練。ツボ足とアイゼンで直下降と斜登降を繰り返した。蹴りこめばいいと思って歩いていたら、柳川に歩き方を説明できず土居さんにしていただいた。柳川は一歩一歩しっかりと蹴り込んで慎重に進んでいた。一通り歩いたら、リフトの上(天神峠)まで登ってみた。藤田はいいリズムで進み、柳川と吉田は少し遅れを取りつつも進んだ。下りは大股でふかふかな雪の上を下った。
滑りそうな急な斜面を見つけて、滑落停止の練習をした。しかし、滑っているうちに笹や土が見えてきてしまって、5回ずつ練習して終了。ピックがうまく刺さらなかった。
次にビーコン探しをした。土居さんにビーコンを一つ埋めてもらい、3人で探した。発信信号を見つけたら10メートルずつ、ビーコンの音が変わったら1メートルずつ残りの距離を叫び、場所を特定した。十字を切るときには「もっとゆっくり動かして」と藤田からアドバイス。プローブの刺し方についても「そんなに勢いよくなくていいから、トントントンとやさしく」とアドバイス。ただ、すぐにプローブの先が地面についてしまうため難しい。
雪が浅いため、スノーバーがうまく刺せなかったが、スタカットの練習もした。藤田がトップで進んでいく。ロープの残りの長さをトップに教えるのを忘れてしまった。なかなかスノーバーを回収しながら雪の上を歩くのは容易ではない。この日は1ピッチやって終了。ロープウェイの最終便を見計らって終了した。
15時半からテントの設営を開始。16時の気象通報に間に合うように急ぐ。街での練習と雲取でテントの設営の仕方を教えていたが、雪を整地するところから始まり、ペグを埋めてスカートに雪を被せなくてはいけない。途中から柳川と吉田がテントに入って、天気図を書いた。私物整理ののち、夕飯を作った。各々野菜を切り、お米を炊いた。食べ終わった後は外から雪を持ってきて明日の水を作った。少し遅くなってしまって、21時15分就寝。

12月13日(日) 天気:晴れのち雪、-6℃
6:00起床~8:30行動開始~ロープウェイから見て右側の斜面に移動~ツボ足・アイゼンで移動~土居さん到着~天神尾根間までアイゼンで~天神尾根までワカン~スタカット(2ピッチ)スノーバーの埋め方~懸垂下降の支点づくり(しずくスノーボラード)~肩がらみ~腰がらみ~ロープウェイ~土居さんの車で水上駅まで~水上駅16時30着

土居さんがロープウエイで登って来る時間より前にツボ足の練習をと考え、6時に起床。ご飯を炊いて、ササッと食べる。荷物をザックに詰めて身支度をする。身支度が夏と違ってなかなかスムーズに行かなかった。やっとの思いで外に出てテントを撤収する。しかし、昨日踏み固めた雪はしっかりしまってしまった。スカートの雪をどかすのも、ペグを回収するのも一苦労。無事テントが撤収できるとビーコンチェックをした。この時点で土居さんとの約束の時間が迫ってきてしまって、ロープウエイ降り場から見えるところに移動する。すると土居さんと合流した。曇っていたのが晴れてきた。天神尾根までをアイゼンとワカンを付けて1往復ずつした。柳川はワカンで歩くのを苦戦していたようだ。
晴れていたのがだんだんと曇ってきた。新潟から黒い雲がやって来るのがよく見えた。

新潟から越えてやってくる雲
新潟から越えてやってくる雲

スタカットの練習を今日もした。視点を作る際にスノーバーを縦に刺すだけでなく、横に寝かせてスリングとカラビナを付けるやり方を土居さんと確認した。2ピッチほど練習した。ずっとそばで見ていてくれた土居さんと常にセカンドだった柳川は寒くて仕方ない様子だった。トップが進むときにロープの残りの長さを言うことを忘れなかった。吉田が初めてトップをやった。流動分散、ムンターなどバラバラに教わったものが一つにまとまった。土居さんに教わりながら木に支点を作った。支点を作った場所が悪く、木に押されながら柳川を待っていた。ムンターで藤田をビレイして、そのまま藤田をトップにした。すると、藤田が遠くに行きすぎて、声が届かなくて苦労した。
雪がかなり降っていたが、雪訓は続く。懸垂下降の支点の作り方を教わった。逆さのしずくの形を描いて、その周囲にロープをかけて懸垂下降した。一人1回ずつ行った。新雪のせいか、体を預けるとこの時は雪にロープが食い込んで、怖かった。それでも雪面を懸垂下降する分には問題はなかった。
支点を作らずに確保するやり方も教わった。ビレイヤーが足場を作って立ったまま左肩から後ろにロープを回して右手で歩く人側のロープを持つ。もう一つはビレイヤーが座ってビレイする方法も教わった。一人1回ずつ歩いてこける役とビレイする役を行った。自分より重い人をビレイできるのか心配だったが、何とか止めることができた。

担当:吉田